2021_12_天リフ山口様_勾玉星雲
■勾玉星雲 2021年12月5日  FSQ106ED(380mmF3.6)  α7S(クリア改造) ISO12800  30秒 120枚  CometBPフィルター SXP赤道儀 ノータッチガイド  熊本県草千里 撮影:天リフ 山口様

<撮影者のコメント>
勾玉の中心のカギ上の青い構造(vdB34)やIC417周辺の青い反射星雲も見えています。これらの反射星雲はナローバンドでは写らないのですが、CBPフィルターならナローバンドとRGBを別撮りすることなく、赤い星雲を強調しつつワンショットで反射星雲も写すことができました。 
2021_12_天リフ山口様_M42馬頭星雲
M42と馬頭星雲 2021年12月5日  FSQ106ED(380mmF3.6)  α7S(クリア改造) ISO12800  30秒 100枚  CometBPフィルター SXP赤道儀 ノータッチガイド  熊本県草千里 撮影:天リフ 山口様

<撮影者のコメント>
こちらも撮影コンセプトは同じで、ランニングマン星雲と三つ星付近の若い青い星の輝きがテーマです。M42はOIII成分が強いため、馬頭星雲の深紅とは異なりピンク色になっています。なんとなくフィルム時代を彷彿させる色になりました。
 2021_12_天リフ山口様レナード彗星
本家彗星に対するフィルター効果 2021年11月27日 5:20頃 FSQ106ED(530mmF5)  EOS6D(SEO-SP4)  ISO6400  30秒  SXP赤道儀 ノータッチガイド  福岡県糸島市 撮影:天リフ 山口様

<撮影者のコメント>
CBPフィルターを使用すると、明らかに彗星のコマが強調されました。青緑の「彗星色」を際立たせる効果があるようです。今回のレナード彗星はイオンテイルがまだ明瞭でなく、そちらに対する効果は不明です。なにぶん、ダストの連続光成分はフィルターで一部カットされてしまうため、淡いダストを描出するには最適ではありませんが、イオンテール成分の強い状態ならきっと面白い効果になるでしょう。 

<撮影者の総合コメント>
青色の単波長成分を透過するCometBPは、QBPでは出しにくい青い星の輝きや反射星雲を写し撮ることができました。光害地や月明りの下ではCBPは不利ですが、条件のよい空なら「反射星雲も写るデュアルナローバンド」効果が生きてきます。「光害地はQBP(DBP)」「遠征地ならCBP」ですね。
ただし、通常の改造デジカメはUV/IRカットフィルターで400nm付近以下の青色がカットされてしまうため、ディープスカイではUV/IRカットフィルターを除去したクリア改造のα7Sを使用しました。クリアガラスのカラーCMOSカメラでも同じ効果が得られると思われます。

<中川昇の目線>
天リフの山口さん、中川光学ブログへの投稿ありがとうございます。さすがは山口さん、効果的なフィルターの使い方が良く分かる効果的なレポート、大変分かりやすいです。「なるほど。そういうことか」と納得しました。思い起こせば、私がアトムに居た時代(1980年代後半)、天体用のフィルターが飛ぶように売れた時代がありました。「アトムフィルター」「ケンコーHFグラス」「ミザールμフィルター」「ルミコンフィルター」などなど。あの時代はフィルム時代ということもあり、カラーバランスは二の次でとにかく光害をカットすることが最優先だった記憶がありますが、今は様々なバランスを考慮しながら用途に応じたフィルターが細かく選択できる良い時代になりました。今後ともよろしくお願いいたします。
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