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月面Aその1 撮影:東田守生様(大阪府)※上を南に表示
Aという文字の向きの関係で敢えて上を南で表示しています。満月の直前に月面Aは現れます。それにしても見事な「A文字」です。月面Xよりもさらに明瞭です。今度の月面A2/7(金)23時28分がピークの予報(22時半~見頃の予報、注:追記6参照)です。今回の月面Aがいかに好条件なのか?はいつもお世話になっている「ほんのり光房blog」さんのブログに詳しいです。こちらから
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月面Aその2 撮影:東田守生様(大阪府)※上を南に表示
月面Aの南(上)に左右に走る谷がありますが、これが日本人の名前が付いた谷「宮森谷」です。月面Aとほぼ同時に現れます。宮森さんは東亜天文学会の理事長もつとめた天文家です。さらに「佐伯」という日本人名のクレーターもすぐ近くにあります。「名所3点セット」です。佐伯さんは元大阪電気科学館の方で火星観測でも有名だった方です。その昔タカハシの広告にも出ておられました。※注:宮森谷も佐伯も国際天文学連合には認定されていません。
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月面Aその3 撮影:東田守生様(大阪府)※上を南に表示
その3の写真は、Aの文字がその1・2と比べると見やすく見にくくなっていると思います。これが以前にもご説明した秤動によるものです。特に月面Aのように月の縁にある地形は秤動の影響を受けやすくなっています。その3その1・2の写真は秤動によって月の西側(写真右側)がぐっとこちら側に向いているタイミングだったのでAの文字が見やすくなっているのです。2/7はまさにこの条件が良いのです。この秤動があるお陰で同じ月齢でも同じ欠け際にならず、毎日見る意味が出てくるのです。
【追記5】抹消線の部分は私が勘違いして逆の表現をしてしまいましたのでお詫びして訂正します。
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■月面Aのおおよその位置(上を北に表示)BORG67FL オリンパスE-PL1 トリミング 手持ち 撮影:中川昇

<中川昇の目線>
正直言いますと先日の月面Xがあまりにも好条件で満足してしまい、月面Aのことはすっかり忘れていました。それを思い出させてくれたのが、上でもご紹介した「ほんのり光房blog」さんのブログです。みゃおさん、いつもありがとうございます。さらには、東田守生さんには月面Aの写真と月面Aの詳細な解説記事でご協力をいただき誠にありがとうございます。あと2日の猶予がありますので、今のうちに月面Aに関する知見を得て本番に備えていただければと思います。月面Aのピーク時間が金曜日の(深)夜ということで、飲み会の帰りでも何とか間に合う時間帯というのも嬉しい条件の良さです。

【追記】
「ほんのり光房blog」をさらに読み込んだら、「過去60年間の月面Aを見るチャンスの中でも一番月が大きく見える」タイミングとのことで、大袈裟に表現するとこれを逃すほとんどの人は一生に一回のチャンスを逃すということになります。そして月面Aの本当の見頃の時間は22時半~23時半の1時間ほど(注:追記6参照)らしいので、私も過去にきちんと見た記憶がないので注目したいと思います。さらにはこの時間を過ぎると「W月面A」も見られるということです。「ほんのり光房blog」のみゃおさん、貴重な情報誠にありがとうございます。

【追記2】
今回の月面Aの観察や撮影の注意点ですが、晴れるのは大前提ですが、晴れても気をつけたいのはこの日の月の高度が非常に高いことです。部屋の中からやベランダから観察や撮影をお考えの方も多いと思いますが、この日の南中高度は約80度とほぼ真上です。まずひさしが邪魔して見えません。寒いけど夜遅いけど、思い切って外に出てみましょう!2/7の月の南中時刻は東京で22:19です。

【追記3】
今晩、明晩の月で自分の家から月が見えるかを事前確認しましょう。高度も重要ですが、方位も重要です。その辺の情報はこちらが便利です。自分の家の方角と月が見える方向を把握しておきましょう。それと真上でも見やすいように天頂プリズムや液晶の角度が変えられるタイプのデジカメ等の準備もしておきましょう。まずは今晩、事前テストしてみましょう。

P.S. 今週末はもうひとつ見逃せない天文現象(?)があります。富士山の山頂に太陽が沈む「ダイヤモンド富士」です。ダイヤモンド富士自体はこの時期、関東地方のどこかで毎日見られるといえば見られます。ただ、この週末は2/8(土)は六本木ヒルズ展望台から、2/9(日)は東京タワーとキャロットタワーといった特別に高い建物からダイヤモンド富士が見られます。

P.S.2 さらにいうと2/10(月)の朝と2/11(祝)の朝には富士山の山頂に月が沈む「パール富士」が房総半島や三浦半島で楽しめます。透明度の高い今の時期が絶好の撮影チャンス!

【追記4】
CP+2020のLAOWAのセミナーの情報がさらに充実しました。こちらから。「タケル東京ランドスケープさん」が新たに講師として加わっていただきました。楽しみが増えました。

【追記6】(追記5は上方に有)
月面Aの見頃の時刻ですが、上に「22時半~23時半」と書きましたが、A地形の認識に個人差があるようで、そうなると見頃の時刻に差が出てきます。確かにA字状に見える見えないは個人差が出やすいところなので、別記事でご説明する予定です。→こちらに掲載しました。