2019年9月は月の月!

【中川昇選:9月の9大天文現象リスト】
①09/05(木):アポロ11号着陸地点観察の好機
②09/06(金):月と木星が大接近
③09/06(金):月面X△、月面LOVE
④09/08(日):月と土星が大接近
⑤09/13(金):中秋の名月(十五夜)ムーンフィルター日和
⑥09/14(土):満月(本年最遠の満月ムーンフィルター日和
⑦09/17(火):月面の北極観察の好機 ※ムーンフィルター日和
⑧09/22(日):月齢22の月が3等星のおうし座ζ星ティエングァンを隠す恒星食
⑨09月~:ダイヤモンド富士

【9月の9大天文現象詳細】
553978
①09/05(木):アポロ11号着陸地点観察の好機
9月5日の夕方、アポロ11号着陸地点の観察の好機を迎えます。最近あまりアポロの話題は昇らなくなり個人的には寂しく思いますが、アポロの偉業はそんなに軽いものではありません。7~8月は悪天候でアポロ11号着陸地点は良く見えませんでした。今月は晴天を期待して壮大なアポロ計画に関わった人々に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?その際、「感謝と誓い」を行えば月の神様が味方してくれるかもしれません。
kasori_x1900n20mj2
③09/06(金):月面X△、月面LOVE
さて月面Xと月面LOVEですが、今月はあまり条件は良くありません。月が沈む直前に辛うじて見えるかも?という状態です。ただ、何といっても天気が最重要ですから晴れたらまずは見てみましょう。具体的な見頃の時間等はこちらから。この日は月のすぐ南に木星が輝いています。
2019-08-10-1209
②09/06(金):月と木星が大接近
9/6の夕方の月のすぐ南側(肉眼で下側)に明るく輝く木星が見えます。月面Xと共に楽しみましょう。
2019-08-06-1442_5-L
④09/08(日):月と土星が大接近
9/8の22時頃に月齢9の月と土星が1度(満月2個分)まで接近します。ふだんどれが土星なのか?分からない人には月が良い目印になるので絶好の観望のチャンスです。しかも日曜日です。
kasori_90FL10050n10_2
⑤09/13(金):中秋の名月(十五夜)
⑥09/14(土):満月(本年最遠の満月
⑦09/17(火):月面の北極観察の好機 
ここまで全て月絡みの現象ですが、最後は月そのものが対象です。何度も書いていますが、天文ファンの満月に対する評価は不当に低いものです。「満月の本当の魅力を知らずにのほほんと生きている自称天文ファンの何と多いことか(チコちゃん風)」「やれ満月は眩しいだけで見るところがない」「やれ満月はのっぺりしていて面白くない」「やれ満月があると星が見えなくなるので天文ファンの敵だ」などと満月は言われたい放題です。でもこれは我々天文業界の人がきちんと満月の魅力を伝えてこなかったことも一因です。これからは、満月の魅力を地道にアピールしていこうと思います。9/14の満月は今年で一番小さい満月です。一番大きい月(2019年は2月20日、2020年は4月8日)とどれだけ差があるのか比較するためにも必ず撮影をしておきましょう。
月齢22の月が3等星のおうし座ζ星ティエングァンを隠す恒星食
9月22日(日)の明け方4時ごろ、月齢22の下弦の半月がおうし座ζ(ゼータ)星ティエングァンを隠す恒星食が起こり、日本の広い範囲で見られます。晴れればかなり見応えのある星食となりそうです。

<中川昇の目線>
改めて9月の天文現象を調べていたら、偶然にも全て「月絡みの現象」でした。そもそも秋の満月はなぜ注目されるのでしょうか?様々な理由があるかと思いますが、個人的には南中高度と天気にあると思います。南中高度については、秋の満月の南中高度が高すぎず低すぎずちょうどよいこと。部屋の中からでも無理なく月が見える程良い高さ。首に負担がかからない適度な高さ。天気については秋晴れというように他の季節(春~夏)よりも晴れやすく空が澄んでいる。冬は晴れるが満月の南中高度が高すぎる。よって秋は満月に注目が集まりやすい。さらには、「満月の夜ほどよく晴れる」法則が輪をかけているものと推測します。
そこでこの9月は、ムーンフィルターを予約入手して「今まで俺は月面の何を見てきたのだろうか?」「少なくとも満月前後の月の楽しみの半分以上を見損なっていたと思う」「今さらだけど、これからは今までの分を取り戻すべく満月前後の月面を積極的に見て楽しもうと思う」と思っていただければと思います。ムーンフィルターの中川昇レビューはこちらから。
仮に月から地球を見たとして、満地球の状態である地球を「眩しいから」とか「のっぺりとしているから」とかいう理由で見ないのか?というと見るわけです。その天体の表面が一度に見られるチャンスなのですから阻害要因は工夫して除去して、見やすい状況にして見ればよいのです。そこに今ごろ気が付いた自分の至らなさに愕然とするとともにこれは皆さんにお伝えすべきだと強く感じた次第です。
※このページは随時情報を追加更新予定です。→7大天文現象から9大天文現象にタイトルを変更しました。