photo_20190806161301
■夏の天の川(はくちょう座~わし座~いて座~さそり座~木星)2019年8月4日21時41分~ LAOWA12mm F2.8 絞りF4 キヤノン EOS 6D(SEO-SP4改造) ISO1600 3分露出×16枚コンポジット ステライメージ7、Flataide Pro、Photoshopで画像処理 SWAT-310によるノータッチ追尾 撮影地 千葉県大多喜町 撮影者:加曽利哲也様

<撮影者のコメント> 
前回ブログのLAOWA 15mm F4マクロに続いて、LAOWA 12mm F2.8でも天の川を撮影しました。焦点距離12mmにもなると、作例写真の通り、いて座からはくちょう座まで余裕でカバーでき、しかも星像が良好なエリアに収まります。フルサイズでの対角画角はおよそ122°もあり、季節の星座を一網打尽にできる広さです。ちなみに前回の15mmの対角画角は110°ほどになります。この12mmは開放F値が2.8と明るく、天体用としても使いやすいレンズです。周辺星像の改善と光量の確保を狙って、一段絞りのF4で撮影しました。さすがに最周辺はサジタルコマフレアによる星像の肥大がみられますが、程度は大きくなく、超広角としては優秀な部類に入ると思います。APS-Cなら周辺まで良好でしょう。 木星の滲みは、撮影中に薄雲が通過したことによるもので、レンズ由来ではありません。星像もシャープですし、これから超広角をお考えの方は候補に入れてもよさそうです。中国製レンズの認識が変わる一本です。このレンズについての詳細はこちらをご覧ください。

<中川昇の目線>
昨日のLAOWA15mmF4マクロによる天の川に続いて、今日はLAOWA12mmF2.8による夏の天の川です。どちらのレンズも今のところ天体写真の作例がほぼないので、非常に貴重な作例です。加曽利さんありがとうございます。購入時の参考になるかと存じます。
このLAOWA12mmF2.8の最大の特徴は「ZERO-D」です。歪みがほぼゼロなのです。今回の天の川の作例でも画面のどこを切りとってトリミングしても不自然さがないというほど見事に歪みが補正されています。さらに12mmでF2.8という明るさ。天体写真にも使えるシャープさ。さらに税込み13万円台という価格。さらにキャッシュバックキャンペーン中で今ならさらにお得。などなど、今までに見落としがちだった価値がこのレンズには潜んでいるのです。マニュアルフォーカスであるというのは天体写真にとっては安心感しかありません。
そして理想的点像を相手にする天体写真に使えるという評価は一般撮影をメインされる方にとってはこのうえない安心感を与えてくれます。LAOWAのレンズラインナップはこちらから。新製品も続々と予定されています。
【追記】
この写真をずっうと見ていると不思議な感覚に襲われました。少し斜めからみると我々の銀河系の姿が浮かび上がってくるのです。今まであまりそういう感覚になったことはないのですが、もしかしたら「ZERO-D」のお陰かもしれないと思い始めました。歪みが少ないためよりリアルに感じられるのでは?とも思いました。これが南半球で天の川を歪みなく丸ごと捉えたら、銀河系のモデルになる画像が得られるかもしれません。そして歪みが少ないということはモザイクもしやすい。何だか夢が広がってきました。
photo_20190806161301
■夏の天の川(横構図)
試しに横構図にしてみました。NGC4565のような銀河にも見えてきます。南半球で右(南)半分を撮影してつなげれば我が銀河系の完成です。「ZERO-D」の意味はこういうところにもあったということだと思います。

P.S.  明日8/8(木)は待望の月面Xの日です。夕方明るいうちから見え出します。明日は早めに帰宅するか職場に望遠鏡を持ち込んでみるか、いずれにしてもお見逃しなくご覧いただければと思います。私は早く帰る予定です。昨晩は帰宅後にすぐ月を見たらアラゴーのドームにちょうど光が当たって得した気分でした。
P8070143xst1
月面X前日の月面(2019/08/07)BORG67FL E-PL1 手持ち 撮影:中川昇
いつもなら月面Xが見えても良い月齢ですが、今月は秤動の関係で明日8/8(木)になります。晴れそうなので楽しみですね。ただ、相変わらずシーイングが良くありません。あまり拡大率を欲張らない方が良さそうです。

P.S.2  再度夏期休業のご案内です。シュミットの夏季休業は8月11日(日)~19日(月)です。ご注意ください。BORG製品も在庫そこそこあります。こちらから