1969年7月21日(日本時間)のアポロ11号着陸から50年。今回、ほんのり光房の久保庭敦男さんの全面的な協力を得て、アポロ11号の着陸地点の詳細を以下にご案内いたします。久保庭さんのお陰で50周年のタイミングで長年書きたかった記事を書くことが出来てとても嬉しく思います。久保庭さん、本当にありがとうございます。心より感謝致します。
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■アポロ11号の着陸地点の大まかな場所(下弦側)作成:久保庭敦男様(ほんのり光房)※上を北に表示
アポロ11号LMのLMとは「Lunar Module」の略で「月着陸船」のことです。大まかな場所は上記の通り、静かの海付近になります。上の画像は2019年7/20-21頃の月の様子に近いです。満月過ぎの下弦側の様子です。枠で囲った場所を切り取ったのが下の拡大図と拡大写真になります。
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■アポロ11号の着陸地点の大まかな場所(上弦側)作成:久保庭敦男様(ほんのり光房)※上を北に表示
同じ静かの海付近ですが、満月前の上弦側の様子です。次回、この姿になるのは8/5-8/6頃です。※お詫び:8/5は中川の勘違いでした。
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■アポロ11号の正確な着陸地点の詳細1 作成:久保庭敦男様(ほんのり光房)※上を北に表示
上の月の全体写真の枠の中を拡大した図です。久保庭さんがアポロ11号の正確な着陸位置を全自作の図にマーキングしてくれました。この図には影が無いので満月時の見え方と近似します。
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■アポロ11号の正確な着陸地点の詳細2 作成:久保庭敦男様(ほんのり光房)※上を北に表示
詳細2に地名を入れたものです。久保庭さんによると、『一番こだわったのは「図面内に100km程度の目印クレーターがひとつ以上含まれる」という点です。初心者が月面探査で心折れないカギは「直径100km前後のクレーターを見分けられるように丁寧に指導する」ことと考えるからです。物差し鳥ならぬ、物差しクレーターですね。この考え方には感服しました。さすがです。
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■アポロ11号の正確な着陸地点の詳細3(上弦側)作成:久保庭敦男様(ほんのり光房)※上を北に表示
着陸地点の正確な位置と周囲の様子が非常に良くわかります。
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■アポロ11号の正確な着陸地点の詳細4(上弦側)作成:久保庭敦男様(ほんのり光房)※上を北に表示詳細3にさらに地名を入れたものです。力作です。
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■アポロ11号の着陸地点の詳細5(上弦側)作成:久保庭敦男様(ほんのり光房)※上を北に表示
より正確な着陸地点が分かります。大変有難いことです。私にとって着陸地点の特定は長年の夢でした。久保庭さんによるアポロ11号~17号の着陸地点の情報はこちらから。このサイトの中にある「日照カレンダー」は「年/LM番号/上弦下弦/観察場所(都道府県単位)を指定すると一覧表を表示できる」という、とても良く出来たカレンダーです。こういうデータが欲しかったんです。
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■アポロ11号の着陸地点の詳細6(下弦側)撮影:東田守生様(大阪府)※上を北に表示(文字は中川記入)
7/20-21がもし晴れれば、こんな感じに見えるはずです。私が記入した着陸地点が正確なポイントからわずかに下(南)にずれている事も分かります。尊敬する宇宙飛行士3人の名が付いたクレーターも忘れずに確認しましょう。今回残念ながら天気予報は厳しいです。ただ、これからも欠け際に着陸地点が来るタイミングが月に2回はあります。年内にあと10回はありますから、今年は「アポロ宇宙年」と考えて気長に観察しましょう。
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■月面ガイドブック表紙(1974年初版本) 高橋実著 誠文堂新光社刊
中川のおもひでの本です。あまりにも愛読したので背表紙はバラバラ。肌身離さずお風呂にも持ち込んで読んでいましたが、水没すること2回。フニャフニャのボロボロですが、それでも捨てられず今に至ります。この本を中学1年生のころ船橋の本屋さんで見つけた時の嬉しかったこと。この本が無ければ今私はここにいないと思います。
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■月面ガイドブック(1974年初版本)・はじめに 高橋実著 誠文堂新光社刊
この前書きの中に高橋実さんがこの本の執筆中にどうしてもアフリカ日食を見に行きたくなって藤井旭さんから「アフリカに新月を見に行くんだからぜひ行こう」と励まされて日食を見に行くというくだりがありますが、このやり取りが未だに印象に残っています。1973年のアフリカ日食は日本の天文ファンが初めて本格的に海外に皆既日食を観測に行く走りになった日食です。タカハシの当時の高橋喜一郎社長も自社のフローライトで素晴らしいコロナの写真を撮影されカタログや広告を飾っていました。
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■月面ガイドブック(1974年初版本)と著者サイン(1991/09/24)高橋実著 誠文堂新光社刊
最後は思い出のサイン本です。高橋実さんは当時の天文雑誌スカイウオッチャー(2000年廃刊、後の星ナビ)のフォトコンの選者でした。当時のフォトコンは20点制を採用していて、入選の点数の合計が20点を超えると卒業というシステムを採っていました。1991年に東田守生さんと中川が同時に20点を達成。そのインタビューを銀座の松島眼鏡店(何と2014年に閉店していた!)にある松島ギャラリーで1991年9月24日に行いました。その松島ギャラリーでは中川と川村晶さん(現星の手帖社)の二人で「月と月のある風景」という写真展を開催していました。その写真展の会場で高橋実さんと東田さんと中川の3人で取材を受けた際にいただいた貴重なサインです。銀座の松島眼鏡店は老舗のメガネ店でしたが、天体望遠鏡や双眼鏡も積極的(特にニコン)に扱っており、天文ガイドにも広告を出していました。店員さんも機材の知識が豊富で貴重な販売店でした。

<中川昇の月への熱い想い>
すでにたくさん書いてしまいましたが、高橋実さんの「月面ガイドブック」の存在は非常に大きかったと思います。この本のお陰で何回(月に10日見たとして×12か月=年間120日×45年=5,400回)月を見ても全く飽きません。5,400回見ても、「ああこれはこの間見たやつだ」とは全く思いません。それは月の見方や楽しみ方が分かっているからだと思います。その辺の深い魅力、その日のその時間の月面はその時限りである、ということを少しでも多くの方にお伝えできればと思っています。中川昇の月面案内の連載は半永久的に?続きます。いっしょに月を楽しみましょう!連載記事にご協力いただいている東田守生さん、加曽利哲也さん、橋野英嗣さん、久保庭敦男さん、根本泰人さん、本当にありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。

P.S. またまたアポロ11号のテレビ番組の情報です。今日7/20・19時~地球ドラマチック「アポロ11号~人類が月に降り立った日~」が放送されます。来週も毎日のように月関連の番組をやります。ほとんどNHKなのが気になりますが…。ラジオではこんな身近な放送もあったようです。