今日の月面名所案内は、月面のほぼ中心部にある3つの有名な谷をご紹介致します。この谷の位置と特長を覚えると月面撮影がグーンと面白くなってきます。
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トリスネッカー谷付近(下弦側)撮影:東田守生様(大阪府)※上を北に表示 
トリスネッカー谷は下弦の月前後や上弦の月前後に見える非常に繊細な谷です。谷というよりも「月面の割れ目」といった方がいいかもしれません。撮影の難易度が高く、シーイングの状態と望遠鏡のシャープさが問われる地形なので、チャレンジの甲斐がある対象です。
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トリスネッカー谷ヒギヌス谷付近(上弦側)撮影:東田守生様(大阪府)※上を北に表示
1枚目の写真は下弦側(朝方に南中)ですが、この写真は上弦側(夕方に南中)です。同じ地形でも逆方向の光で見ると全く違って見えます。こんな面白い地形が地球から毎晩撮影できるのですから、撮らない手はありません。
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アリアデウス谷付近(下弦側)撮影:東田守生様(大阪府)※上を北に表示
アリアデウス谷はトリスネッカー谷と比べると太くて見やすく撮りやすい谷です。よく見ると谷がストレートではなく少しずれているのが分かります。
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トリスネッカー谷アリアデウス谷ヒギヌス谷付近(上弦側)撮影:東田守生様(大阪府)※上を北に表示
この写真はさすが東田さん、とても良く写っています。私はこの写真を30分間見続けても飽きない自信があります。ヒギヌス谷はよく見るとクレーターが連なっているように見えます。
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トリスネッカー谷アリアデウス谷ヒギヌス谷付近(上弦側)撮影:東田守生様(大阪府)※上を北に表示(文字は中川記入)
地名を入れて見ました。この3つの谷を覚えて、ことあるごとに注目するようにしてみてください。特にヒギヌス谷は満月でもよく見えます。満月の写真の解像度を見る時のひとつの目安にもなります。
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■下弦1日前の月 BORG107FL 撮影:加曽利哲也様
今晩(6/24)の月の出は東京で0時近いので、真夜中~明け方が撮影の好機になります。欠け際はこの写真とは違うと思いますが、参考にはなるかと思います。それにしても加曽利さんの月面写真の仕上げはいつ見てもお見事です。皆さんのお手本としても最高です。
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トリスネッカー谷アリアデウス谷ヒギヌス谷の位置 BORG125SD 撮影:中川昇
満月前後でも上の写真のようにヒギヌス谷はきちんと写っています。これら3つの谷を認識できるようになると月面の地形に詳しくなったような感じになります。そうなれば後は月面博士にまっしぐらです。

P.S. 追加情報です。6/25,23時現在横浜は晴れています。梅雨のさなか貴重な晴れ間と思われます。今晩の月面はティコプラトーが見頃↓になるはずです。木星も明るく輝いています。
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■2019/06/26,01時30分頃の月面 BORG67FL+オリンパスE-P5 手持ち 撮影:中川昇
予想通り、欠け際に
ティコプラトーが見えています。虹の入江も見頃を迎えています。この時間(01:30)ではまだ低く月も赤いですが、明け方に向けて条件は良くなりそうです。私はもう寝ますが、直線壁~雲の海付近も好条件を迎えています。絶好のチャンスかもしれません。