今回の月面名所案内は、満月直前にたまに見える「月面A」と呼ばれる地形です。
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月面Aその1 撮影:東田守生様(大阪府)※上を南に表示
Aという文字の関係で敢えて上を南で表示しています。満月の直前にAは現れます。それにしても見事な「A文字」です。月面Xよりもかなり明瞭です。ただし、A文字に見える時間は短時間です。
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月面Aその2 撮影:東田守生様(大阪府)※上を南に表示
月面Aの南(上)に左右に走る谷がありますが、これが日本人の名前が付いた谷「宮森谷」です。月面Aとほぼ同時に現れます。宮森さんは東亜天文学会の理事長もつとめた天文家です。さらに「佐伯」という日本人名のクレーターもすぐ近くにあります。「名所3点セット」です。佐伯さんは元大阪電気科学館の方で火星観測でも有名だった方です。その昔タカハシの広告にも出ておられました。※注:宮森谷も佐伯も国際天文学連合には認定されていません。
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月面Aその3 撮影:東田守生様(大阪府)※上を南に表示
その3の写真は、Aの文字がその1・2と比べると見やすくなっていると思います。これが以前にもご説明した秤動によるものです。特に月面Aのように月の縁にある地形は秤動の影響を受けやすくなっています。その3の写真は秤動によって月の西側(写真右側)がぐっとこちら側に向いているタイミングだったのでAの文字が見やすくなっているのです。この秤動があるお陰で同じ月齢でも同じ欠け際にならず、毎日見る意味が出てくるのです。
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月面A・グリマルディの位置 BORG90FL 撮影:中川昇※上を北に表示
これは上が北です。月面Aは満月の直前が見頃になることが分かります。次回の月面Aの見頃は7月15日(月)です。上にも書きましたが、Aの形に見える時間が短いのでタイミングが重要です。ちなみに月面Aは高橋実さん(月面ガイドブックの著者)が発見したそうです。

<今回のまとめ>
満月というと一般的には「影が出来ないので全体的にのっぺりとして一番面白くない月齢だ」と言われていますが本当は違います。実は満月は楽しみ方のコツを覚えると面白い位相なのです。ひとつは、何度も触れていますが秤動の加減による月縁部の地形の見え方の変化です。もうひとつは、光条や海の模様の見え方の変化です。ただ満月は眩しいので観察するには一工夫必要です。これについては秘密兵器?をご用意しておりますので近々ご紹介します。お楽しみに。
さらに朗報です。月面A月面Xなどの予報や地形にも詳しい「ほんのり光房さん」のご協力が得られることになりました。ほんのり光房さんは私がアトム時代(30年以上前)からのお付き合いで、現役のBORG125EDユーザーでもあります。とにかく天文現象や気象現象に非常に詳しく、ほんのり光房さんしか書けない記事やほんのり光房さんのデータなしでは語れない貴重な現象が多数あります。今回、本ブログにご協力をいただけることになりましたので、有効に活用させていただきます。ほんのり光房さん、本当にありがとうございます!これで東田守生さん、加曽利哲也さん、ほんのり光房さんと強力な方々の協力をいただけることになりましたので、ますます充実の月面名所案内になるかと思います。ご期待ください。

<今後の月面Aについて>
次回の月面Aの見頃は7月15日(月)24時~27時(つまり7月16日の夜中の0時~3時)です。まだ、月面の地形に慣れていないという方は、今度の満月前の6月17日(月)16日(日)は晴れれば、月面Aの形こそ見れませんが、その周辺の地形の下見にはなりますし宮森谷や佐伯クレーターは観察可能だと思います。ほんのり光房さんの月面Aの大変分かりやすい解説についてはこちらから。今後の月面Aの詳細な予報日時も掲載されています。今晩6/16も明日6/17も晴れるところが多そうなので、満月前後の月に注目してみてください。
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満月1日前(2019/06/16)BORG67FL オリンパスE-PL1ボデー 手持ち 撮影:中川昇
今晩の月面です。今晩は横浜市内の公園にホタルを見に行きました。晴天の蒸し暑い夜という好条件の下、今までの中で一番多くのホタルを見ることが出来ました。ホタル見物のお客さんも今までで一番多く、凄い賑わいでした。その中で多くの人の注目を浴びたのが、ホタル見物中にタイミングよく昇ってきた月です。ホタルが飛ぶほど暗い場所に月の光が差すと月明かりが眩しいこと眩しいこと。月を見慣れた私ですら、ここまで神々しい月の出は記憶にないほどのインパクトでした。多くの方が月の写真を撮りながら月の話で盛り上がっていました。すぐ近くに木星が光っていたのがより印象を深めたのだと思います。木星と気が付いていた人はほとんどいなかったようですが…。