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■月面 静かの海~アラゴー付近(上弦側) 撮影:東田守生様(大阪府)※上を北に表示(文字は中川記入)
「アラゴー」というクレーターの上側(北側)と左側(西側)にそれぞれドームがあります。アラゴーのドーム(αとβ)と呼んでいます。そのアラゴーのある海が「静かの海」です。まずは、この「アラゴー」というクレーターを覚えることが第一歩です。
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■月面 静かの海~アラゴー付近(下弦側) 撮影:東田守生様(大阪府)※上を北に表示(文字は中川記入)
アラゴーの右側(東側)にある「ラモント」はリンクルリッジと呼ばれるしわの集合体です。その下側(南側)にアポロ11号に関する有名人の名が付いた3つのクレーターがあります。アポロ11号の着陸地点は画面の下側(写真にはギリギリで写っていません)にあります。
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■月面 アポロ11号着陸地点(下弦側) 撮影:東田守生様(大阪府)※上を北に表示(文字は中川記入)
1969年(昭和44年)7月21日(日本時間)、静かの海にアポロ11号が着陸しました。今から50年前です。私は当時7歳でしたが、おぼろげながらテレビ中継の映像を覚えています。これが中川少年の天文人生のスタートかもしれません。乗組員はアームストロング船長、コリンズ、オルドリンの3人です。その3人の名前が「アポロ11号着陸地点」のすぐ近くのクレーターの名前になっていることは、今回東田さんのサイトを見て初めて知りました。
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■月面 静かの海~アポロ11号着陸地点(下弦側) 撮影:東田守生様(大阪府)※上を北に表示
「アームストロング(船長)」「コリンズ」「オルドリン」の3つのクレーターは当然のこと(?)ながら、アポロ11号の着陸地点のすぐ近くにあります。クレーターの大きさも船長が一番大きいという気遣い(?)も面白いです。アポロ11号着陸地点が、かなり平坦な場所にあることも分かります。これは安全性を最優先に選んだからだそうです。また、月の赤道付近を選んだのも宇宙船の推進剤の消費を最小にするためだそうです。
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■月面 アポロ11号着陸地点の位置 BORG125SD 撮影:中川昇
アポロ11号が着陸したのは静かの海です。上にも書いたように平坦な場所です。アポロ11号の月面着陸に関しては調べれば調べるほど伝説が多く、謎が多い出来事です。いかに人類にとってインパクトの大きな一大イベントだったかが良く分かります。さらにアームストロング船長のその後の波乱万丈な人生も興味深いところです。
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■アポロ11号着陸から20年目の静かの海付近(1989/07)TS160F8 撮影:中川昇
1989年当時の天文雑誌「スカイウオッチャー」の選者である高橋実先生から絶賛を浴びた自信作です。30年前の写真なので当然フィルムでの撮影で銀塩プリントですが、保存状態が良く今でもその輝きは薄れることがありません。ラモントのシワの繊細さやアームストロング、コリンズ、オルドリンの各クレーター、そしてアポロ11号着陸地点も写っており、私としても非常に思い出深い作品です。アポロ計画に携わった人々に敬意を払いながら覆い焼きを繰り返した(たぶん50枚以上焼いた)ことを思い出します。弊社ショールームで生プリントを見ることが出来ます。
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アポロ11号月面着陸地点の正確な位置 作成:久保庭敦男様(ほんのり光房)

<今回のまとめ>
私の人生で一番影響を受けた出来事を挙げろと言われれば、一番に来るのがこの「アポロ11号月面着陸」だと思います。上にも書きましたが中川少年は当時7歳(小学校1年生)でしたが、月面着陸の中継画像は鮮明に覚えています。ただ、日本時間では着陸は1969年7月21日午前02時44分という真夜中でしたので、恐らく生では見ていないと思います。その後、アポロのプラモデルを買ってもらったり、天文図鑑を買ってもらったり、学研の科学の付録で望遠鏡を組み立てたりという経験を経て、天体の世界にどっぷりと浸かっていくわけです。アポロのお陰で友達にも天文ファンが多く、当時の子供が欲しいものは何か?というアンケートをすると必ず上位に天体望遠鏡が入っていました。恐らくミザールさん、エイコーさん、カートンさんや裏御三家さんなどは当時は相当な売れ行きだったと思われます。それから50年経つとやはり変わるものだなあとまたまた遠い目になる中川室長なのでした。東田さん、今回もご協力いただき大変ありがとうございました。東田さんの写真はデジタルなのに銀塩テイストなので、繰り返し見ても「目が疲れない」「飽きない」「癒される」という実にバランスの取れた見事な仕上がりだと思います。
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■何度も書きますが、星ナビ7月号のアポロ11号50周年記念号は絶対のおススメです。
特に月面上の作業中の写真が豊富にあるのが貴重です。これを見ると月面が異常に明るく、照明でもしているのかと思うほどですが、良く考えると月面は空気がないので太陽光がまともに当たるのですごく眩しいのです。また、当時の中継画像は白黒でしたが、この特集はオールカラーです。灰色の世界といいながら実は色があるのです。それにしてもこの特別付録を読んでいると改めて月はいいなあと思いました。ロマンがあります。月面大好き!

P.S. これはたまたまですが、アポロ11号着陸50周年に当たる2019年7月21日(日本時間)前後はちょうどアポロ11号着陸地点付近が良く見える月齢なのです。これは見逃せません。当時の事を知っている人も知らない人も国の威信をかけた一大ミッション、人類の夢とロマンをかけた一大プロジェクトに思いを馳せながら静かの海付近を静かに見届けようではありませんか。今回の記事は相当入れ込みました。このタイミングでこの記事を書くことが出来て幸せです。